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こんにちは。FLATTEがお届けする「ウェルネスカフェ」、MCの三田村です。
いきなりですが、ランニングと筋トレを組み合わせた「レース」の会社に、約6億ユーロ、日本円で1,000億円近い値がついた、というニュースがありました。
今日はこの話から始めたいと思います。
この番組のSeason 2では、「FLATTE JOURNAL」というコーナーで、海外のフィットネスやウェルネスのニュースを紹介しながら、これからの業界について考えています。
今回のニュースを追っていて感じたのは、「運動そのもの以外の価値が、前より大きくなっているんじゃないか」ということです。
もちろんサービスの質は大前提です。ただそれに加えて、その場所に行く理由、続けたくなる理由、そこで過ごす時間まで含めて選ばれるようになっている。そんな気がしています。
では、さっそく見ていきましょう。
(HYROX)
まずは冒頭のニュース、HYROXです。
HYROXは、ランニングとファンクショナルトレーニングを組み合わせたフィットネスレースです。世界中で同じ形式の大会が開かれていて、自分の記録をほかの参加者と比べられるのが特徴です。日本でも大阪や千葉で大会が開かれていて、少しずつ身近になってきました。
今回、このHYROXの株式の過半数を、L Cattertonという投資会社が中心となったグループが取得しました。金額は公表されていませんが、報道では企業価値が約6億ユーロ規模とも言われています。
HYROXは、単純に見ればフィットネスイベントです。でも参加する人にとっては、「大会に出る」という目標になります。その目標があるから普段のトレーニングが続くし、ジムやSNSでのつながりも生まれる。そして、また次の大会に出たくなる。
大会が一日で終わらず、日常の運動やコミュニティにつながっている。そこがHYROXの強さなのかもしれません。
(ピラティス市場)
次は、私たちにも身近なピラティス業界の話です。
The Pilates Journalという媒体の調査によると、ピラティススタジオの4人に3人が「この1年で需要が増えた」と答えていて、クラスは満席、またはほぼ満席というところも6割を超えています。市場はとても好調です。
ただ、同じ調査で、半数以上が「競争が激しくなっている」ことを課題に挙げています。
日本でもマシンピラティスのお店はどんどん増えていますよね。駅から近い、料金が安い、リフォーマーがある。こうした条件だけでは、もう違いが伝わりにくくなってきています。
これからは、レッスンの質に加えて、誰から受けるのか、どんな空間なのか、通うことでどんな時間が過ごせるのか。そこが大事になってきそうです。
(ソーシャルウェルネス)
その「どんな時間が過ごせるか」という点で面白いのが、ロンドンにできた「Triplebond」という会員制のウェルネスクラブです。
ここではピラティスや筋トレに加えて、クライオセラピーや赤色光、コールドプランジといったリカバリーの設備があります。さらにラウンジやルーフトッププールもあって、運動するだけでなく、身体を回復させたり、人と過ごしたりする場所になっています。
「動くこと」「回復すること」「人とつながること」。この三つをまとめてウェルネスと考えている、というのが特徴です。
(テクノロジー)
一方で、まったく逆の方向の動きもあります。自分の身体を、一人でより詳しく知るためのテクノロジーです。
スマートリングを展開するUltrahumanは、睡眠や心拍などのデータに加えて、病気の診断や飲んでいる薬の情報も一緒に記録できる新機能を発表しました。たとえば「薬を変えた時期に、睡眠がどう変わったか」を同じ画面で見られるんです。
また、女性のヘルスケアの分野では、Evvyという企業が4,000万ドル、約60億円の資金を調達しました。女性の身体のデータを10万人規模で集めて、より精密な診断や研究につなげようとしています。
「誰にでも同じ健康法」ではなく、一人ひとりの違いを前提にしたヘルスケアへ。そんな流れがはっきり見えてきています。
(まとめ)
こうして並べてみると、ウェルネスは二つの方向に同時に進んでいるように見えます。
ひとつは、データを使って自分の身体を詳しく知り、一人で最適化していく方向。
もうひとつは、HYROXやTriplebondのように、人が集まる場所をつくる方向です。
一人でできることがこれだけ増えたのに、誰かと一緒に過ごせる場所も伸びている。これ、自分のことを考えても、ちょっと分かる気がするんです。
私はバレエをやっているんですが、バレエってどちらかというと「個」が強い習い事なんですよね。鏡の前で自分と向き合う時間がほとんどで。
でも大人になった今、思い切って発表会に出てみたら、想像していた以上にみんなと話す機会が増えて。同じものが好きな人たちと一緒にひとつの舞台をつくる、団結感みたいなものがあったんです。
それで、前よりも練習へのやる気が出たし、「こう踊れるようになりたい」という目標も、前より深くなりました。
HYROXの話で、大会が普段のトレーニングを続ける理由になる、とお話ししましたが、まさにこういうことなのかな、と。
一人でできるようになったからこそ、「わざわざそこに行く価値」が問われるようになっているのかもしれません。運動の内容だけじゃなく、そこにいる人や、目指せる場所。そういうものも含めて選ばれる時代になっていくんだろうな、と今回のニュースを見ながら感じました。
ということで今回は、「フィットネスは運動だけでは選ばれなくなる?」というテーマでお届けしました。
それでは、また次回のウェルネスカフェでお会いしましょう。