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こんにちは。FLATTEがお届けするウェルネスカフェ、MCの三田村です。この番組では、フィットネスやウェルネスにまつわるニュースや、FLATTEの現場で感じていることをきっかけに、これからの体や暮らしについてゆるく深掘りしていきます。
今回はFLATTE JOURNAL。最近の海外フィットネス・ウェルネス業界のニュースを見ていると、一つ気になる流れがあります。それが、ジムやスタジオは運動するだけの場所ではなくなってきている、ということです。今日は最近の海外ニュースをいくつか見ながら、この変化について考えてみたいと思います。
ニューヨークで、サウナ+水風呂のスタジオが12店舗以上へ
まず気になったのが、アメリカのリカバリーブランド「SweatHouz」のニュースです。SweatHouzは、赤外線サウナとコールドプランジ、いわゆる冷水浴を組み合わせたコントラストセラピーを提供するブランド。日本で言うと、サウナと水風呂を交互に利用する交代浴に近いですね。
このSweatHouzがニューヨークのトライベッカに初出店し、マンハッタンやブルックリンで少なくとも12店舗の展開を計画しています。面白いのが、一人ひとりが個室のサウナとコールドプランジを使えるということです。さらに新店舗には、4人から6人で利用できるグループ向けの空間や、ヨガ・瞑想・ブレスワークなどのイベントスペースまで作られているそうです。
つまり、運動した後にちょっとサウナに入るという付帯設備ではなく、リカバリーそのものが一つの目的地になっている。これはかなり大きな変化だと思います。
リカバリーは無料サービスから有料メニューへ
そしてもう一つ、関連して気になったニュースがあります。海外のジムでは今、コールドプランジだけではなく、コンプレッションブーツ、赤色光、マッサージなど、さまざまなリカバリー設備が増えています。
ここで変わってきているのがビジネスモデルです。これまでは「月会費を払えば、こうした設備も使えます」という付帯サービスとして提供するケースも多かったのですが、最近はリカバリーを独立した有料メニューとして設計する動きも出ています。月額会員に追加料金で提供したり、単発で利用できるようにしたり。
つまり、ジム側からすると、会費以外にもう一つの売上を作ることができる。しかも単純な売上だけではなく、「今日は運動する元気はないけど、体を整えに行こう」という来店理由も生まれます。ここはかなり重要なところですね。
リアルな施設への客足も強い
そもそも人は、まだリアルなフィットネス施設に来ているのか? ここも面白いデータが出ています。アメリカの業界団体、ヘルス・アンド・フィットネス・アソシエーション(HFA)が発表している「フィットトラッカー」によると、2026年8月のフィットネス施設への訪問数は前年同月比で2.4%増。2026年に入って最も強い伸びになりました。
その中でも「HVLP」と言われる低価格の大型ジムが約3.0%増。そしてブティックスタジオも約2.5%増。特にスタジオは、2019年以降で最も高い8月の訪問水準になっています。
オンラインフィットネスやアプリがこれだけ増えても、リアルな場所に行って体を動かすという行動はなくなっていない。むしろ、リアルだからこそ得られる体験に価値が集まっているようにも見えます。
そして、ウェルネスが不動産にも入り始めている
さらに面白いのが、フィットネス業界だけでこの動きが完結していないということです。最近、海外では「ウェルネス不動産」という領域がかなり注目されています。マンションやホテル、商業施設を作るときに、ジムがあるということだけではなく、ピラティス、ヨガ、サウナ、リカバリー、スパ、健康的な飲食などを組み合わせて、「ここに住むこと自体が健康につながる」という環境を作る考え方です。
実際、デベロッパー側もフィットネスやウェルネスの施設を単なるテナントではなく、物件そのものの価値を上げるコンテンツとして捉えています。最近ではホテルでも、フィットネスだけではなく、コンプレッションやリカバリー機器まで組み込んだ施設が登場しています。
これは日本でもかなり可能性がありそうですよね。駅前にスタジオを出す、商業施設に入るだけではなく、その街や建物のウェルネス機能を担うという出店の考え方です。
裏側ではAIによる運営効率化も進んでいる
一方で、こうした体験に投資するためには、運営を効率化する必要があります。そこで進んでいるのがAIです。
フィットネス業界向けの大手ソフトウェア企業ABC Fitnessは、AIを使ったコーチングサービス「FitMetrics」を買収し、問い合わせ対応や予約、見込み客へのフォロー、パーソナライズされたコーチングなどにAIを活用する動きを強めています。さらにABC Fitnessは、スポーツ、筋力トレーニング、リカバリーなどの複数のブランドを展開するFitura Brandsとも連携しています。
つまり、裏側の予約や顧客管理はどんどん自動化していて、人は人にしかできない体験づくりに集中する。フィットネス業界も、そんな役割分担が進んでいるように感じます。
FLATTEとして考えること
ここまで見てきて、FLATTEとして個人的に面白いなと思うのは、これからスタジオの価値が「月に何回ピラティスができるか」だけではなくなっていく可能性があるということです。
例えば、ピラティスで体を動かす。その後、体を回復させる。疲れている日はコンディショニングだけ受ける。そんなふうに、鍛える・整える・回復するまで含めて体をサポートする。こうした考え方は、パーソナルピラティスともすごく相性が良い気がします。
すぐに大きなサウナ施設を作ろうという話はもちろんないのですが、小さな単発のコンディショニングメニューだったり、リカバリー系サービスとの連携だったり、お客様が必要な時に選べる体験を作る余地はありそうです。
そしてもう一つは、不動産との関係。住宅、ホテル、商業施設、公園など、人が暮らす場所の中にウェルネスが入っていくのであれば、スタジオ側も「どこに店を出すか」から「その場所にどんな健康体験を作るか」へ、少し発想を変えていく必要があるかもしれません。
まとめ
今回、いくつかの海外ニュースを見てきましたが、共通しているのは、フィットネスの領域が運動だけではなくなっているということ。運動する、整える、回復する、人とつながる、そして日常の中で健康に過ごす。その全部を含めたウェルネス体験を誰がどう作るのか。これからのフィットネスブランドにとって、かなり大きなテーマになっていきそうです。
皆さんだったら、いつものジムやスタジオにどんなサービスがあったら嬉しいでしょうか? そんなこともぜひ考えてみてください。
ということで、今回のFLATTE JOURNALは「ジムは“鍛える場所”から“整える場所”へ ― 海外で広がるリカバリー・ウェルネス不動産の現在」というテーマでお届けしました。この番組では、これからもフィットネスやウェルネスにまつわるニュースを取り上げながら、その背景にある変化を一緒に考えていきたいと思います。
それでは、また次回のウェルネスカフェでお会いしましょう。
今回取り上げたメディア
・Athletech News https://athletechnews.com/category/wellness/
・Health & Fitness Association https://www.healthandfitness.org/insights/
・Fitgearsource https://www.fitgearsource.com/fitness-equipment-industry-weekly-news-september-7-2026/