信頼される成長基盤はどうつくられるのか。追加投資を受けたFLATTEが描くウェルネス事業の現在地

2026.06.19

信頼される成長基盤はどうつくられるのか。追加投資を受けたFLATTEが描くウェルネス事業の現在地

FLATTEでは、トレーナーやオーナーの皆さんのストーリーを通して、フィットネスに関わる仕事のリアルな想いや、地域に根ざしたスタジオづくりについてお届けしています。

今回は、株式会社ファノーヴァ代表の舟久保さんに、2026年3月に発表した追加投資の背景や、FLATTEがこれから目指していく方向性についてお話を伺いました。

セミパーソナルジムから始まり、パーソナルピラティス、女性専用24時間ジム、オンラインサポート、そしてフランチャイズ展開へ。

複数の事業を展開するFLATTEは、いまどのようなフェーズにあるのでしょうか。

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「資金を得た」以上に、事業の再現性に信頼をいただいた出来事

――今回の追加投資は、舟久保さんにとってどのような意味を持つ出来事でしたか?単なる資金面だけでなく、事業としてどの部分が評価されたと受け止めていますか?

今回の追加投資は、単に資金を調達できたということ以上に、これまでFLATTEが積み上げてきた事業の再現性や成長可能性に対して、外部の方々から一定の信頼をいただけた出来事だと受け止めています。

創業以来、FLATTEでは「運動が苦手な人でも、無理なく続けられるフィットネスをつくること」にこだわってきました。

従来のジムには、マシンが怖い、使い方がわからない、なかなか続かない、価格が高いなど、さまざまなハードルがあります。特に運動初心者の方にとっては、始めることも、続けることも簡単ではありません。

その中でFLATTEは、セミパーソナルという業態からスタートし、現在ではパーソナルピラティス、女性専用24時間ジム、オンラインサポートなどを組み合わせながら、店舗とデジタル、そして人によるサポートを融合させたオペレーションをつくってきました。

今回評価いただいたのは、単に店舗数が増えていることではありません。直営店での黒字化、顧客満足、トレーナー育成、FC展開など、さまざまな出店・運営のあり方において再現性のある成長基盤ができてきたことを評価いただいたのだと思っています。

FLATTEが、信頼されるフィットネスブランドとして本格的に伸ばしていけるフェーズに入った。今回の追加投資は、そうした意味を持つ出来事だと捉えています。

投資家が期待するのは「新しいフィットネス事業モデル」

――ファノーヴァはこれまでサイバーエージェント・キャピタルなどからの調達を受け、今回さらにi-nest capital、W fundからの出資も受けています。投資家の方々から期待されていることを、どのように捉えていますか?

投資家の皆さんから期待いただいているのは、単にフィットネス店舗を増やすことだけではなく、フィットネス業界における新しい事業モデル、成長モデルをつくることだと考えています。

私たちは、OMO型のフィットネスを大前提に置きながら、セミパーソナル、ピラティス、女性専用24時間ジム、FC展開、M&A、さらにコンテンツライセンスなど、複数の成長軸を持っています。

その中で評価いただいているのは、店舗ビジネスでありながら、仕組み化や再現性、横展開が可能なモデルになっている点だと思います。

そして、今はAIの力が広がっている時代だからこそ、人の力、人材育成、オペレーション、組織文化といった部分が非常に重要になってくると感じています。

そこを大前提に、DX、マーケティング、ブランドづくり、オペレーション設計を掛け合わせることで、品質を保ちながら再現性を広げていく。そういった点を評価いただいているのではないかと思っています。

FLATTEは、フィットネスブランドではなく「運動習慣を広げるプラットフォーム」

――外部からは「マルチブランド型フィットネス事業」として見られることもありますが、舟久保さん自身は、今のファノーヴァをどのような会社だと定義していますか?

私自身は、単なるフィットネスブランドというよりも、フィットネスプラットフォームであり、そのプラットフォームを通じて運動習慣を社会に広げる器だと捉えています。

セミパーソナルという業態は、あくまで一つのソリューションとして始めたものです。

根本的には、「運動した方がいいとは思っているけれど、なかなか続かない」「そもそも始めることにハードルを感じている」という方々にとって、運動ができる環境や空間をつくっていくことが、私たちの使命だと考えています。

どうすれば、無理なくフィットネスを始めてもらえるのか。どうすれば、生活の一部として続けてもらえるのか。

その問いに向き合った結果として、FLATTEには複数の業態があります。これは単に事業を増やしているというよりも、さまざまな方にとっての「続けられる入口」を用意しているということです。

お客様の目的やライフスタイルは一人ひとり異なります。しっかり指導を受けたい方もいれば、自分のペースで通いたい方もいます。ピラティスを学びたい方もいれば、日常的な運動習慣を身につけたい方もいます。

そうしたさまざまなニーズに対して、FLATTEというブランドの中で応えられる形を提供できることが、私たちの強みであり、今後さらに強化していきたい重要なポイントです。

ピラティスは、運動習慣を始めるための大切な入口

――パーソナルピラティスのフランチャイズ展開も進んでいます。ピラティスという業態について、舟久保さんはどのように捉えていますか?

ピラティスには、もちろん今の流行という側面もあります。FLATTEとしても、自分たちのメソッドを持って提供している中で、その流れに後押しされている部分はあると思います。

ただ、私たちにとってピラティスは、単なるトレンドではなく、運動習慣を続けるための一つの入口であり、コンテンツだと考えています。

「ピラティスをやってみたい」と思う気持ちは、とても自然で、純粋なニーズです。まずはその気持ちをしっかり受け止めるべきだと思っています。

一方で、運動を続けるという視点で見ると、ピラティスだけでお客様のすべての目的に応えられるかどうかは、丁寧に考える必要があります。

たとえば、姿勢改善をしたい、ボディメイクをしたい、ダイエットをしたいという目的がある場合、ピラティスに加えて、日常的に体を動かす習慣や、別の運動サポートが必要になることもあります。

FLATTEでは、週1回のパーソナルピラティスを受けながら、残りの日にはセミパーソナルジムやオンラインフィットネスを活用することもできます。そうすることで、週に1回のレッスンだけでなく、日常の中に運動のタッチポイントを増やすことができます。

その意味で、私たちはピラティスを、運動習慣を提供していくための重要な入口として捉えています。

もちろん、その方にとって求める価値がピラティスにあるのであれば、そこは真摯に受け止め、ピラティスそのものの価値を最大限広げていきたいと考えています。

これから強化したいのは、人材育成とオペレーション構築

――投資を受けた今、これから特に強化していきたい事業基盤はどこにありますか?

一番強化していきたいのは、人材育成、組織文化の醸成、そしてそこに紐づくオペレーション構築です。

もちろん、店舗を増やすこと、物件開拓を進めること、フランチャイズ展開を進めることも重要です。

ただ、私たちが目指しているのは、運動習慣を提供するフィットネスプラットフォームです。その中では、現場でお客様と向き合うトレーナーやスタッフの質こそが、ブランドそのものの価値になっていくと考えています。

どれだけ良い立地に出店しても、どれだけ広告で集客しても、現場の体験が最大化されなければ、お客様に継続していただくことはできません。

FLATTEの価値は、カフェラテを飲みに行くような感覚で、近所のカフェに行くような気軽さがありながら、一方でプロに支えられているという安心感があること。この両立にあると思っています。

この体験をどの店舗でも再現するためには、スタッフの採用、育成、評価、マニュアル、データ活用などを、店舗運営の型としてさらに磨き込んでいく必要があります。

特にFC展開においては、本部がどれだけ加盟店を支援できるかが重要です。

物件開発、採用、研修、集客、システム導入、運営支援まで含めて、成功しやすい仕組みをつくること。それがブランド全体の信頼につながります。

今後の投資は、ただ店舗を出すための投資ではありません。出店しても品質が落ちないための投資です。そこに力を注ぎ、オペレーションを構築していきたいと考えています。

成長フェーズだからこそ、絶対に失いたくない「現場感」

――成長スピードが上がる局面だからこそ、より強く意識するようになったことや、絶対に失いたくないものはありますか?

成長スピードが上がるからこそ、最も大事にしているのは「現場感」を失わないことです。

フィットネスには、数字だけでは見えない部分がとても多いと感じています。

お客様がどんな不安を持って来店されたのか。どの言葉で安心されたのか。どんな瞬間に、通うことが楽しくなったのか。あるいは、なぜ通わなくなってしまったのか。

こうしたものは、数字だけでは見えません。現場のコミュニケーションや小さな変化、温度感の中に表れるものです。

私たちが絶対に失いたくないのは、「頑張りすぎなくても続けられる」というFLATTEの思想です。

この思想を守るためには、現場の声、トレーナーの声、お客様の声を、店舗数が増えても、事業が広がっても、失わないことが大切です。

理念やトレーナーウェイ、接客品質、レッスン品質、LINEでのコミュニケーション、現場での細かなやり取り。

こうした一つひとつを、ただマニュアル化するのではなく、現場の声を見失わない形で仕組み化していきたいと考えています。

今のFLATTEに関わる面白さ

――最後に、加盟候補者の方や、事業展開を考えている方に向けて、今のFLATTEに関わる面白さをどのように伝えたいですか?

FLATTEは、運動習慣を提供するというコンセプトのもと、いわゆるライト層の方々にも広くフィットネス空間を届けていくブランドです。

この新しいコンセプトを、成長市場の中で、すでに実績ができているモデルとして一緒に広げていける。今は、そうしたタイミングだと思っています。

フィットネス市場は今後も広がっていくと考えています。店舗数も増え、競争も強まっていく一方で、健康意識そのものの高まりは確実にあります。

その中で、従来型のジムでは届き切っていない層の方々がいることも事実です。

運動が苦手な方、ジムが続かなかった方、何かを始めたいけれど一歩を踏み出せなかった方。

そうした方々に対して、FLATTEというブランドを通じて新しい市場を開拓していけることは、加盟候補者の方にとっても非常にチャレンジングで、面白いことだと思います。

すでにあるモデルを広げる安定感と、まだ届いていない市場を開拓していくダイナミックさ。

その両方を感じながら、一緒に成長していけるタイミングが、今のFLATTEにはあると思っています。

まとめ

今回の追加投資は、FLATTEにとって単なる資金調達ではなく、これまで積み上げてきた事業の再現性や、今後の成長可能性に対する信頼の証でもありました。

セミパーソナルジム、パーソナルピラティス、女性専用24時間ジム、オンラインサポート、FC展開。

複数の事業を持ちながらも、FLATTEが目指しているのは一貫して「運動が苦手な人でも、無理なく続けられるフィットネス」を社会に広げることです。

成長スピードが上がる今だからこそ、現場感を失わず、人材育成やオペレーション構築に投資していく。

FLATTEは、信頼されるフィットネスブランドとして、次の成長フェーズへと歩みを進めています。

 

プロフィール

舟久保 匡佑(ふなくぼ きょうすけ)
株式会社ファノーヴァ 代表取締役社長。
一橋大学卒業後、外資系国際見本市主催会社にてBeauty&HealthCare領域の企画・マーケティング・新規事業開発に従事。その後、グロービスで大手企業からベンチャー企業まで幅広い組織開発・コンサルティング業務を経験し、オランダ美容室事業の創業取締役COOに就任。2019年に株式会社ファノーヴァを創業。現在は「運動が苦手な人でも、フラッとはじめて、しっかり続く」をコンセプトに、セミパーソナルジム、パーソナルピラティス、女性専用24時間ジムなどを展開するFLATTEの運営を通じて、運動習慣をより身近にするブランドづくりに取り組んでいる。

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